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基礎知識

バーチャルオフィスとは|できること・できないことと料金の実際【2026年9月】

公開 2026-09-21|掲載データの確認日 2026-09-21

バーチャルオフィスは、事業に使う住所を借りるサービスです。物理的な執務スペースは付かないのが基本で、その代わりに月額数百円から都心の住所を使えます。この記事は12社の公式サイトに2026年9月21日時点で掲載されていた内容から、何ができて何ができないか、いくらかかるかを整理したものです。

レンタルオフィス・シェアオフィスとの違い

バーチャルオフィス1が公式サイトで示している整理が分かりやすいので引用します。

名称 概要 月額料金の相場
バーチャルオフィス 事業用の住所を提供するサービス。会員限定の貸会議室や作業スペース、電話番号サービスが使える場合もある 数百円〜数千円
シェアオフィス 賃貸オフィスの一形態。フリーアドレス(固定の席を持たない)が基本。事業用の住所・電話番号も利用可能 数万円〜数十万円
レンタルオフィス 個室もしくは固定デスクなど占有のワークスペースを提供。事業用の住所・電話番号も利用可能 数万円〜数十万円

実際、ナレッジソサエティの公式料金表では、同じ運営会社の中でバーチャルオフィスメンバーが月額4,950円、シェアオフィスメンバーが32,780円、レンタルオフィスメンバーが88,000円と並んでいます。桁が一つ違うのは、スペースを占有するかどうかの差です。

できること

12社のプランに共通して含まれているのは次の項目です。

  • 住所の利用:ホームページ、名刺、請求書、特定商取引法に基づく表記などへの掲載
  • 法人登記(登記可のプランのみ。詳しくは法人登記の記事
  • 郵便物の受け取りと転送(プランによる)

社によって追加できるものとしては、固定電話番号の貸与と転送、電話秘書代行、FAX、貸し会議室、ロッカー、来客対応などがあります。

たとえばレゾナンスは03・06・045の番号を貸し出す転送電話セットコース(3,190円/月)や電話秘書代行セットコース(5,390円/月)を用意し、ワンストップビジネスセンターは全国48室の会議室を1時間1,100円(税込)から提供しています。

できないこと

各社が公式に「できない」と明記している代表例です。

  • 住民票の住所にすること:Karigoは「居住を示す住所としては一切ご利用いただけません」と記載
  • 公的な本人確認書類の申請:デジラボは住民票・パスポート・免許証等の公的申請への利用を禁止
  • 実際のスペースが必要な事業の届出:Karigoは「特定派遣事業届出や古物商届出など、実際のスペースが必要となる事業への届出には利用できません」と記載

さらに、契約自体ができない事業を列挙している社もあります。デジラボはアダルトサイト・出会い系・マルチ商法・ギャンブル・情報販売・スピリチュアル・占い、政治/宗教/暴力団活動、投資・融資等の金融に関わる事業を挙げています。

契約には本人確認と審査がある

デジラボの公式サイトには、この業態の法的な位置づけがはっきり書かれています。

バーチャルオフィスはいわゆる私設私書箱業にあたり、犯罪収益移転防止法に基づく本人確認、取引記録の管理、疑わしい取引の届け出が義務付けられています。

このため、どの社でも申し込み後に審査があります。

  • METS:「格安でも厳正な審査あり」。審査は当日〜3営業日
  • NAWABARI:専用アプリで本人確認書類を送付し、1〜2営業日後に審査結果を連絡
  • ワンストップビジネスセンター:「審査済み事業者のみが利用」
  • デジラボ:審査完了後に本人限定受取郵便を送付し、受け取り後に連絡すると利用開始
  • GMOオフィスサポート:2026年9月9日に「お申し込み審査遅延に関するお知らせ」を掲出

運用面でも法令の影響があります。レゾナンスは「登録のない法人名宛の郵便物は犯罪収益移転防止法の指導によりお渡しができかねます」と記載し、契約後に法人を設立した場合は個人から法人への切替(履歴事項全部証明書の提出)を求めています。

料金は実際いくらか

「数百円から」と言われますが、最安プランは住所の掲載だけで郵便を受け取れないことが多いので、法人登記ができるプランの最安値で12社を集計しました。金額はすべて税込です。

指標 月額 初期費用
最小 550円(和文化推進協会) 0円(GMOオフィスサポート)
中央値 1,935円 5,500円
平均 約2,383円(2,382.5円) 6,030円
最大 5,280円(ワンストップビジネスセンター) 16,500円(ナレッジソサエティ)

※月額は12社、初期費用は金額の記載があった11社で集計(和文化推進協会は入会金の記載がないため初期費用の集計から除外)。

月額1,000円前後・初期費用5,500円というあたりが、登記もできて郵便も受け取れるプランのボリュームゾーンです。「月額270円」「月額550円」といった数字は、住所の掲載だけ、または郵便の扱いが限定されたプランのものだと考えてください。

初期費用が0円なのはGMOオフィスサポートだけで、保証金・デポジットも0円です。ただしGMOは2027年1月上旬にプラン料金の改定を予定しています(詳しくは比較記事)。

費用はこれだけでは終わらない

月額と初期費用のほかに、次の費用が発生します。

  • 郵便の転送料:多くの社が実費+手数料。GMOは定期転送150g以下330円/回、METSのネットショッププランは郵送料+手数料550円/回
  • 保証金・デポジット:ユナイテッドオフィスは郵便デポジット5,000円以上(12ヶ月前納なら10,000円)、ナレッジソサエティは保証金30,000円、レゾナンスは1,000円〜。いずれも解約時に精算・返金
  • 屋号などの宛名追加:1つ目は無料でも2つ目から1,650円/月といった設定(GMO、DMM)
  • オプション:電話番号、FAX、会議室、ロッカーなど

逆に、初期費用0円・保証金0円・転送料無料をすべて満たす社はありませんでした。「どこを無料にして、どこで課金するか」の設計が社ごとに違う、というのが12社を並べて見えることです。

向いている人・向いていない人

公式サイトの用途例から読み取れる範囲で整理します。

向いている

  • 自宅で作業し、事業用の住所だけ分けたい人(Web制作、ライティング、デザイン、コンサルティングなど)
  • ネットショップで特定商取引法の表記に住所が必要な人
  • これから法人を設立する人、自宅で登記したくない人

向いていない

  • 住民票を置く必要がある人
  • 実際の営業所が許認可の要件になっている事業
  • 来客や在庫の保管に物理的なスペースが要る事業

なお、スペースが必要になったときに移行できることを売りにしている社もあります。METSは「個室レンタルオフィスに移転可」、ナレッジソサエティはバーチャルオフィス・シェアオフィス・レンタルオフィスを同じ施設で提供しています。

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この記事の内容は2026年9月21日時点で各社公式サイトに掲載されていたものです。条件は変わるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください。

出典(確認日 2026-09-21

本記事は各社公式サイトの記載にもとづく整理です。最新の料金・条件は各社公式サイトでご確認ください。記事一覧へ